なぜオンライン講座には「コミュニティ」が必須なのか?

Go Tsurumi
April 27, 2025

オンライン講座が一般化し、誰でも手軽に学べる時代になりました。しかしその一方で、「続かない」「モチベーションが維持できない」といった声も後を絶ちません。 実際、多くのオンライン学習サービスでは離脱率が高く、最後まで修了する人は1割にも満たないという調査結果もあります。知識や情報が手に入りやすくなった今、「学び続けること」そのものが最大の課題になっているのです。 では、どうすれば人は“学び続けられる”のでしょうか? その鍵となるのが、「学習コミュニティ」の存在です。誰かと一緒に学ぶ。悩みを共有し合う。刺激を受ける。そんな“つながり”があるだけで、学びは孤独な作業から、続けたくなる体験へと変わります。本記事では、なぜオンライン講座にこそ学習コミュニティが必要なのか、Fincsの実例を交えながら、お伝えできればと思います。

目次

    【第1章】なぜオンライン学習は続かないのか?──高い離脱率の理由

    オンライン講座は時間や場所に縛られず、自分のペースで学べる自由さが魅力です。しかし、その自由さが裏目に出ることも少なくありません。大規模な調査(※)によると、修了率の中央値はわずか12.6%という結果が報告されています。このように多くの学習者が途中で挫折してしまう理由は、主に次の3つです。

    International Review of Research in Open and Distributed Learning誌

    1. モチベーションの維持が難しい

    進捗を見てくれる先生も、励ましてくれる仲間もいない環境では、モチベーションが下がりやすくなります。

    2. 自己管理力が求められる

    スケジュールや学習計画をすべて自分で管理しなければならず、生活の中で後回しになりがちです。

    3. 情報が一方通行になりやすい

    動画を視聴するだけの受動的な学習は、疑問があってもすぐに解消できず、理解が深まりにくいという課題があります。

    これらの問題に共通するのは、「学習の孤立」です。つまり、学びの継続を阻む最大の敵は、知識の難しさではなく、学習者の孤独なのです。

    【第2章】学習コミュニティの力──“仲間と学ぶ”効果

    孤独な学習が継続を阻む一方で、「誰かと一緒に学ぶこと」は、学習の質と継続率を大きく高めることが、数々の研究から明らかになっています。

    ■ 学びは“社会的”なプロセスである

    心理学者レフ・ヴィゴツキーの「社会文化理論」によると、人間は他者との対話や協働を通じて認知を発達させる存在だとされています。つまり、学習は本質的に“つながりの中”で起こるものなのです。

    ■ 協同学習が成果を高める

    教育心理学者Johnson & Johnson(1989)の研究では、協同学習グループは、個人学習よりも学習成果・理解度・記憶定着率がすべて高いという結果が示されました。仲間との議論や教え合いが、学びを加速させるのです。

    ■ つながりがモチベーションを高める

    Deci & Ryanによる「自己決定理論」では、人が内発的にやる気を感じるためには、自己決定感・有能感・他者とのつながり(関係性)の3つが必要だとされています。このうち“つながり”が欠けてしまうと、学習はやがて義務や負担へと変わってしまいます。

    項目 ひとりで学ぶ つながって学ぶ
    継続率 低い 高い
    理解度 やや低い 高い
    記憶定着 不安定 長期的に定着
    モチベーション 自力に依存 仲間から刺激を受ける
    成果共有 難しい フィードバックが得られる

    【第3章】コンテンツだけでは足りない──生成AI時代の情報価値

    ここ数年、ChatGPTをはじめとする生成系AIの進化によって、情報やコンテンツへのアクセスはかつてないほど容易になりました。誰でも数秒で要約を作成でき、専門的な知識も手軽に取得できる時代です。その情報精度も益々高まっていくことでしょう。しかし、それに伴い次のような現象が起きています。

    ■ コンテンツそのものの「希少性」が急速に低下している

    • 一次情報ではないコンテンツ(まとめ情報、一般的な解説、誰でも作れるレベルの情報)は、AIによって代替されつつあります。
    • 自身の経験や他とは異なる思考で生み出すコンテンツの独自性だけで価値を生み出せるクリエーターは非常に少ない。(大抵は誰かが言っている内容)
    • 「どこでも手に入る情報」の範囲が拡がった今、それはユーザーにとって“無料で十分”なものになった。

    ■ これからは「誰と、どのように学ぶか」が価値になる

    こうした時代において、学びにおける本当の価値は、単なる情報の受け渡しではなく、その情報をもとに誰と対話し、どう深め合い、どんな体験を共有するかに完全に移りつつあります。つまり、コミュニティという「共に学び、共に高め合う場」こそが、高い価値となっていくのです。

    ■ 生成AI時代にこそコミュニティが必要

    • AIは情報を与えてくれるが、「共感」「刺激」「関係性」は生み出せない
    • 画一的な答えではなく、自分自身の問いを育てるためには、多様な他者との対話が不可欠
    • 継続的な学びには、「孤独を乗り越える仲間」が必要

    このような背景の中、Fincsは良質な学習コミュニティ作りに貢献したいと考えています。

    【第4章】学習コミュニティがもたらす5つの価値

    学習コミュニティは、ただ仲間と学ぶ場ではありません。そこには、個人では得られない多くの価値があります。ここでは、学習コミュニティがオンライン学習にもたらす代表的な5つの効果をご紹介します。

    1. 継続率の向上

    「他の人も頑張っている」という空気が、モチベーションの維持につながります。孤独を感じにくくなり、途中で離脱しづらくなるのは大きな利点です。

    2. 学びの深化

    人に説明したり、意見を交わすことで理解が深まります。アウトプット前提の学習は、記憶の定着概念の整理にも効果的です。

    3. 情報の鮮度と実践知の共有

    コミュニティ内では、最新のトレンドや失敗談、成功のヒントがリアルタイムで共有されます。実体験に基づいた「生きた情報」は、テキストだけでは得られない価値です。

    4. 成功体験の可視化と相互刺激

    誰かの「できた!」という報告が、他の参加者の刺激になります。また、自分の小さな成長に気づいてもらえることが、学び続ける自信につながります。

    5. 所属感と安心感

    「同じテーマで学ぶ仲間がいる」という事実が、心理的な安心感をもたらします。このつながりの感覚が、現代における学習の原動力にもなり得るのです。学習コミュニティは、単なる学びの補助ではなく、学びそのものをより深く、楽しく、続けられるものに変える存在です。

    【第5章】つながりが“副産物”ではなく、“目的”になる時代

    これまで、学習コミュニティは「学びを深めるための手段」として語られてきました。しかし現代では、それだけでは語りきれない変化が起きています。それは、「つながり」そのものが、学ぶ目的になるということです。

    ■ 情報があふれる今、学ぶ理由は「誰と学ぶか」にシフトしている

    知識やスキルは、検索すればいくらでも手に入ります。それでも人が講座に参加するのは、「同じテーマに関心を持つ人と出会いたい」「共感し合える仲間がほしい」という、つながりへの欲求が背景にあります。

    ■ 学習コミュニティは“共通言語”をもったつながりの場

    学校やゼミのように、共通の情報や目標を持つことで自然に生まれるつながりは、今の社会では得にくくなっています。しかし、学習コミュニティではそれが再現されるのです。「学ぶ」という行為が、人とつながるための起点になっています。

    ■ 情報とは「つながり」である(ユヴァル・ノア・ハラリ)

    歴史学者ハラリ氏は、人類の進化を「情報のネットワーク化」として描きます。情報は単なるデータではなく、人と人を結ぶもの。だからこそ、共に学ぶことは、人とつながることそのものなのです。

    このように、現代の学習は、「知識を得ること」だけでなく、「つながりを得ること」にも価値が置かれています。そしてそのどちらもが、コミュニティ学習の中で自然に育まれるのです。

    【第6章】Fincsが実現する、“学び”と“つながり”の融合体験

    Fincsでは、「学習コミュニティの力」を最大限に引き出すために、学びのインプットとアウトプットを通じて“つながる体験”をしてもらいたいと考えています。

    ■ セレクション機能で、学習を導く

    ライブ、動画、記事、資料といった多様なコンテンツを、テーマや習熟レベルごとに整理・構成できる「セレクション機能」。受講者は自分に合った順番で、体系的に学びを深められます。これにより、講師が意図する通りの導線で学びを積み重ねる体験が可能になります。

    ■ トーク機能で、学びの中心に“会話”がある

    Fincsのすべての講座が利用している「トーク機能」では、受講者同士や講師とのリアルタイムな対話が活発に行われます。ここでは、鮮度の高い情報や実践的なアドバイス、悩みの共有などが交わされ、学びが“共鳴”に変わる瞬間が日常的に生まれています。Fincsトークルームを使ったコミュニティ作り

    ■ コンテンツとコミュニケーションがシームレスにつながる設計

    セレクションとトークが切り離されずに連動していることで、学びの中に自然と“対話”が組み込まれます。知識のインプットと、仲間とのアウトプットが循環するこの設計により、学習は受動的なものから、没入感ある体験へと進化するのです。

    Fincsは、知識とつながりを両立させることで、一人ではたどり着けない学びの継続と深化を支えています。

    【第7章】ユーザーの声が語る、Fincsコミュニティの価値

    Fincsの学習体験は、コンテンツの質だけでなく、そこに生まれる「つながり」があるからこそ成立します。その証拠に、多くのユーザーが学びの内容と同じくらい、コミュニティとの関わりに価値を感じていると語っています。以下は、実際の受講者の講座体験談の一部です。全ての体験談はFincsの公開講座の紹介ページから閲覧することができます。

    最強の塾長と塾生のみなさんがいるので安心感が段違いです。 トレードの世界は孤独で辛い世界だと思っている人は少なくないのでは?
    ― 投資系講座より2025年04月17日に投稿
    ただの情報交換の場ではありません。最新トレンドやツールの情報発信はもちろんのこと、異業種の仲間たちのアウトプットやメンバー限定コンテンツを通して、自身の考えや行動に新たな風を取り入れる機会になります
    ― ビジネス系講座より2025年04月08日に投稿
    講義内容は非常に深く実用的で、「目からうろこ」の連続です。特に気に入っているのは、セミナー等で応用が利く考え方や具体的な活用シーンの話を豊富に取り入れ、かつメンバー内での質疑応答で内容が深まる点です。またメンバーの学ぶ姿勢や活用の様々な視点を持った方々が集まり大変学びの多い環境であることとメンバーが温かくフレンドリーでオフ会がとても楽しみなことも魅力の一つです。
    ― 投資系講座より2024年12月28日に投稿
    人にはそれぞれの学習スピード、吸収力が異なり、それでもここには恥ずかしがらずに聞ける、話せる、そう言う相場に1番肝心なメンタルが鍛えられる環境があると私自身も体験しました。
    ― 投資系講座より2024年11月08日に投稿
    最初は利益が出ても損失が続いたりと成績が安定しませんでしたが、今では少しずつ利益を積み上げられるようになってきて、投資がとても楽しいです。そうしてシグナルで利益を出しながら、膨大な動画や資料といったコンテンツでの学習にも事欠きませんし、プレミアム生同士の交流は楽しく、辛いときのメンタルの支えにもなっています。
    ― 投資系講座より2024年11月09日に投稿

    こうした声が示しているのは、「学習」と「つながり」は別々のものではなく、むしろ互いを高め合う関係にあるという事実です。学びのモチベーションも、継続の力も、成果を実感する瞬間も、すべてはこの“つながり”の中で育まれています。Fincsが目指すのは、単なる学習サービスではなく、「学びを通じて、つながる場」そのものです。

    【まとめ】学ぶことは、つながることへ──コミュニティが学習の本質を変える

    オンライン学習が当たり前になった今、知識やスキルを得るだけでは、学びを続けるのは難しい時代になっています。モチベーションの維持、理解の深化、実践への応用、そのすべてにおいて、「誰かとつながって学ぶこと」が欠かせない要素になっているのです。学習は本質的に社会的な営みであり、人との関わりの中でこそ最大の効果を発揮します。さらに現代では、この「つながり」自体が、学習の副次的な効果ではなく、主たる目的にもなりつつあります。Fincsは、そうした時代のニーズに応えるために、

    • 学習コンテンツを体系的に届けるセレクション機能と、
    • 学びを通じた交流を生み出すトーク機能を、

    緊密に連携させた設計を採用しています。その結果、Fincsでは単なる知識の習得にとどまらず、「学びながら、誰かとつながる」体験が自然に生まれています。学習の先にあるのは、知識だけではなく、仲間。それこそが、これからのオンライン学習の本質であり、Fincsが目指す未来です。

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