Fincsトークルームを使ったコミュニティ作り

Go Tsurumi
April 24, 2025

Fincsでは、単に知識やスキルを講師から得るだけではなく、「コミュニティ」の考え方を重視しています。同じ情報でつながるユーザー同士が刺激し合いながらアウトプットできる場、「仲間がいるから楽しい」というポジティブな感情が学習を加速させます。この記事では実際にFincsで成功している講座のトークルームの実例を参考に、トークルーム設計とやるべきことについてご紹介します。

目次

    1. なぜコミュニティが重要なのか?

    ユヴァル・ノア・ハラリ氏は『NEXUS 情報の人類史』の中でこう述べています。

    情報とは「つながり」である。

    この一文が示すのは、情報は単に「データ」や「知識」ではなく、情報を元に「誰と、どうつながるか」によって初めて意味を持ち、力を持つということです。例えば、講座や動画、PDFなど、コンテンツ単体であれば、それは単なる情報にすぎません。しかし、それを誰かと一緒に語り合い、共感し、ときに反論し、深めていく中で、その情報は「つながり」という価値を生みます。

    Fincsが目指しているのは、単なる知識の配信の場ではなく、学びのコミュニティを作っていただくことです。トークルームはそのハブであり、ユーザー同士の「つながり」を生み出す装置なのです。

    2. トークルームのチャンネル設計事例

    Fincsのトークルーム

    まずはFincsのトークルームについて概要をご紹介します。

    • 講師はチャンネルの作成や削除、アーカイブ化、並び順などを変更することができます。各チャンネルは講師だけの発信、受講生も発信、無料ユーザーの閲覧、投稿の権限設定ができます。
    • DMは講師が最初に送ることで受講生とのDMが開通します。(受講生から一方的にDMを送ることはできない)
    • コメントに対して、いいね、ブックマーク、メンション、返信、URLコピー、削除、編集、検索、スレッド化(2025年5月リリース)することができます。
    • 各チャンネルの投稿について通知の設定ができます。

    詳細を知りたい方はこちらをご覧ください。

    トークルーム権限について

    トークルームの発信方法

    代表的なチャンネル例

    トークルームは目的ごとにチャンネルを分けることで、ユーザーが迷わず、自然と参加できる設計にすることが大切です。

    👦自己紹介部屋(会員投稿可)
    新規ユーザーが最初に発言しやすい場所。最初の投稿は勇気がいるものです。コミュニティに受け入れられるかどうか誰しもが怖いです。強制はせずに自己紹介をしてくれた方には「いいね」や自己紹介について返信をぜひ差し上げてください!講師が一部の方にだけ返信するなどをせずに、全員にコメント返しできない場合には「いいね」だけに留めるなどにしましょう。

    👥交流部屋(会員投稿可)
    雑談や近況報告など、学習以外の話題もOKな場。なるべく講師は投稿を控えて、受講生同士で気楽に投稿できる環境にしましょう。講師は雲の上の存在と見られることがありますので、この部屋にあまり投稿しすぎると恐縮されることがあります。投稿内容も縛らずにルール違反がない限りは放置しましょう。

    📣お知らせ部屋(講師のみ投稿可)
    運営からのお知らせや、講座の最新情報などを発信。講師からお知らせしたい内容についてのみ投稿しましょう。

    ❓要望・困った部屋(会員投稿可)
    システムに関する質問や改善要望を共有。Fincsの使い方や講座に対する要望を聞くために設けている講座も中にはあります。場合によっては批判的な意見もオープンになりやすくなるため、こういった情報はDMやメールで受け付けている講座もあります。設置したいが、対応が難しい場合などはFincs運営にご相談ください。

    💬講師の各種学習トーク部屋(講師のみ投稿可)
    テーマ別に講師が受講生に対して一方的に情報を提供する場。講座の内容によって異なりますが、受講生が一番閲覧するチャンネルになるはずです。投資系であれば、「今日の注目トピックス」やビジネス系であれば「最新のAI動向など」講座の提供価値となるチャンネルを作成します。

    💬アウトプット部屋(会員投稿可)
    テーマ別に講師が設定した共有課題に対して受講生が投稿する場。例えば自分の戦略を公開したり、課題を設定して回答を共有したりと様々です。なるべく、具体的なチャンネル名に設定して、投稿内容の一貫性が保たれ、どんな投稿をすればいいのかが明確になるテーマが好ましいです。例えば投資系では「利益・成長報告」「収支改善部屋」やビジネス系では「今日のやること宣言部屋」や「課題チャレンジ共有」など様々です。

    ポイント

    ユーザー層に合わせたチャンネル設計を

    全ての受講生が投稿しやすいチャンネルを用意することを心がけましょう。「ここなら投稿しやすい」と思える場を作ってあげることができれば大成功です。一方でSlackやDiscordチャットベースのワークスペースにあまり慣れていない受講生が多い場合にはなるべくシンプルなチャンネル設計にすることをおすすめします。

    講座や受講生の状況を見て臨機応変に改善

    どのようなコミュニティになっていくかは始まってみないと分かりません。想像もしていないようなチャンネルが生まれることが普通です。例えばある講座では、受講生の方が講師の講義をまとめたものを共有部屋に投稿していたら、他の受講生に感謝をされ、そのままチャンネルとして発展しました。今では他の方も講義まとめを投稿する場になっています。受講生としっかりと対話をして「こういうチャンネルがあったら面白い」といったものを発見したら即座に試して、試行錯誤してみてください。

    3. コミュニティ運営としてやるべきこと7選

    ここでは良質なコミュニティを作っていくためにFincsで成功している運営事例を踏まえて7つご紹介します。コミュニティは運営者がやるべきことをやらないと「炎上」したり「過疎化」します。特にコミュニティ設立初めのころは大事です。コミュニティとして成立してくると必ず受講生の中からコミュニティ管理の役割を自発的に行う方が現われます。そういった方とは密に連絡を取り、感謝を伝えコミュニティの運営を協力してもらいましょう。

    ① 文化・ルールガイドの常時表示

    トークルームには明るく・優しい文化が根付きやすいよう、行動指針を常に見える場所に掲示しましょう。具体的には「チャンネル概要」に以下のような文言を入れます。

    例:「気軽に発言OK!思ったことを大切に」「相手へのリスペクトを忘れずに」

    ある講座では初めて入った人に必ずみてほしいチャンネルを設けて、そこでコミュニティに関するルールやガイドラインの詳細を講師が直接お伝えしているケースもあります。

    他にもコンテンツの講師セレクションに受講ガイドコンテンツを登録したり、ガイド動画を紹介ページに挿入したり、動画の固定コンテンツとして掲載することも有効です。とにかく文化を定着させるには何度も何度も伝える必要があります。講座スタート時、定着するまでは意識していただく必要があります。質の高いコミュニティ講座はみなさんルールの定着を徹底されています。

    ② ステップ配信によるオンボーディング

    コミュニティにおいて、新規参加者が最初の数日間にどれだけ活動するかが、その後の継続率に大きな影響を与えることが示されています。

    入会時に自動でDMやステップメールを送信し、自然と投稿を促しましょう。自己紹介部屋などで自発的に投稿をしていただける勇気のある方ばかりではありません。もちろん投稿を強制する必要は全くありませんが、投稿しやすくする雰囲気を作ってあげることが大事です。例えば入会時に講師や既存の受講生から直接「いらっしゃい」と受け入れのメッセージがあれば、投稿しやすくなりますよね。

    DM例:「ようこそ!これから僕の講座を楽しんでいってください。より一層充実した時間と成果を出してもらうために、まずは自己紹介してみませんか?うちの講座は皆温かい人ばかり!ぜひ一緒にアウトプットしながら学びを楽しみましょう!(たった一言でも大丈夫です👌)」 これからよろしくお願いします!

    ステップ配信のDM機能は※2025年5月搭載予定です。

    FincsのDMはデフォルトではOFFになっており、講師からDMを送付しない限りは受講生からDMを送付することはできません。DMでのやり取りをしない講座の場合には、ステップメールを使って個別にご案内してみてください。ステップメール設定はマニュアルをご覧ください。ステップ配信機能(メール)

    ③ 投稿にはリアクションを忘れずに

    初投稿やちょっとしたコメントにも、必ず「いいね」や「返信」で反応をしましょう。勇気を出して投稿しているのにノーリアクションでは心が萎えてしまいます。「誰も見てない」感をなくし、コミュニティ全体で新しい方を一人一人歓迎してあげてください。

    ④ 会員一覧で受講者の動向をチェック

    誰が活発か、誰が静かなのかを把握しておくと、コミュニケーションの工夫がしやすくなります。会員一覧で新規入会者や投稿数などを確認することができます。以下のように状況を把握して個別に対応していくことも有効です。

    • 投稿が少ない人には個別DMで気軽に声かけ
       例:「最近のトピックはこちら!気軽にコメントしてね✨」
    • よく投稿する人には「いつもありがとう」の一言を。
       → 小さな声かけが、居心地のよさにつながります。

    ⑤ オフ会の実施

    オンラインの関係だからこそ、オフラインで顔を合わせる価値は非常に大きいです。リアルな接点は、信頼関係を一気に強化してくれます。カジュアルなお茶会レベルでも効果は抜群です。質の高いコミュニティ講座を運営ができている講師は必ずオフ会を実施しています。講座スタートから遅くとも半年以内には実施をされていています。規模が大きすぎる場合は地域ごとに分けたり、場合によってはコミュニティ貢献度が高い受講生のみを集めてクローズドで実施しているケースもあります。

    ⑥ ルールを守れない方への対応

    万が一、ルールを逸脱するユーザーがいた場合は、直接対話ではなく、Fincs運営が対応します。コミュニティ内での対立や口論は絶対に避け、冷静な対処を行いましょう。Fincs運営の対応としては、以下の3つの段階を踏み対応します。Fincsは有料コミュニティ講座で、学習を切り口にしているため、悪質なケースはほとんどありません。しかしながら他の参加者の気分を害するような発言はあってはならないので以下のような対応をしています。

    • 投稿削除
    • 注意
    • 投稿権限停止
    • 強制退会 など

    これらは全てFincs運営が講座のガイドラインや規約に基づき、直接受講生に対して連絡を取り、対処させていただいています。同時にFincs運営が入ることで講師による一方的な受講生の権利剥奪もできないようにしています。

    ⑦ 小さな成功体験を拾い上げる仕組み

    こちらはコミュニティの人数が多くなると運営が大変なのですが、チームを組んで実施している講座もあります。そういった講座は講師だけでなく講座運営チームへの信頼度も非常に高く、運営チームの姿勢が好きだから講座を継続しているという声も聞くくらいです。そういったチームが実施している具体的な行動を少し紹介します。

    • 初投稿や、他者への返信など、ちょっとした行動を見逃さずに褒める・拾う
    • 「ご意見・ご要望」チャンネルを設けて一つ一つ丁寧に回答する
    • 「初心者さんの専用質問部屋」を設けてどんなことでも接しやすく返信する。

    これらを講師一人で継続して運営していくことは非常に大変なので、協力してくれる運営チームがいることを前提とした方が良いです。コミュニティの中からそういう方が現れると一番素敵ですね。実際にそういう方はたくさんいらっしゃいます。

    4. トークで気をつけるべきポイント

    トークのテキストには発信者のキャラクターを表現することができます。様々な講座を比較すると表現が上手な方の講座は受講生の投稿率も非常に高く、批判的な投稿がされにくい傾向があります。内容は一緒でも表現の方法でだいぶ効果が変わります。

    文章は口語的に、短く感情が伝わるように

    長文や堅苦しい表現は敬遠されがちです。堅苦しくきちんとした文章でしか投稿ができない雰囲気を生み出します。受け手の感情に届かないので非常にもったいないです。無機質な回答をする初期のChatGPTモデルと、たくさん褒めて慣れ慣れしくなる最新モデルのChatGPTの違いといってもいいでしょう。できるだけ短いテキストで自分を表現できる方法を模索しましょう。

    講師が絵文字をうまく多用する講座のトークはおのずと受講生の投稿も絵文字表現が多く、投稿全体が柔らかく、投稿しやすい雰囲気が醸成されています。受講生の投稿の仕方も講師の投稿が反映されるということです。

    5. まとめ:まず何から始める?

    Fincsのトークルームを活用したコミュニティ作りは、特別なスキルがなくても始められます。大切なのは、

    • 発言しやすい空気をつくること
    • 小さな行動に気づいて、リアクションすること
    • 「ここに居たい」と思える雰囲気を大切にすること

    まずは、「自己紹介部屋」と「交流部屋」をつくることから始めてみてください。そして、新しい仲間が来たら、気軽に「ようこそ!」の一言を。コミュニティ形成は信頼を構築し、文化が醸成されるまでは継続力が必要です。コミュニティの運営に関してお困りの方はお気軽にご相談ください。

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