塾向けオンライン講座プラットフォームの選び方
オンライン講座のプラットフォームは、機能一覧を並べるとどれも同じに見えます。差が出るのは契約したあと、受講者が増えたときと、売るものを増やしたときです。
この記事は、サービスを比べる前に「自分は何を確認すべきか」を決めるための質問集です。各項目は、そのまま問い合わせで使える形にしてあります。
先に順番のことだけ言っておきます。AとBから聞いてください。 ここが固まっていないと、あとの機能がいくら揃っていても、商品を増やす段階で詰まります。
A. お金の増え方
受講者が増えたときに費用がどう動くかで、事業として伸ばせる形かどうかが決まります。
受講者が2倍になったら、料金はどう変わりますか
同じ「月額いくら」でも、受講者1人あたりで増えるタイプと、一定人数まで定額のタイプがあります。前者は受講者を増やすほど費用が増えます。
さらに、オンライン授業の時間に上限があり、その上限が参加者全員の合算で計算されるサービスもあります。60分の授業に講師1人と生徒9人なら600分を消費する計算です。この方式は、受講者が増えるほど早く上限に達します。
月10万円売り上げたとき、私の手取りはいくらですか
「手数料無料」と書かれていても、講師の売上から差し引かれるのか、受講者が支払うのかで意味が変わります。決済手段によって変わる場合もあります。
容量や配信時間で、費用は変わりますか
教材が貯まると容量が増えます。ライブ配信のアーカイブが容量に算入されるかは見落とされがちです。毎週のライブを貯めると、想像より早く埋まります。
「上限はありますか」だけでなく、「超えたらどうなりますか」まで聞いてください。
B. 売り方の自由度
商品を1つしか置けない道具は、売上の作り方を1つに固定します。
1つの講座の中に、買い切りと月額を並べて置けますか
月謝とは別に、夏期講習のような期間限定の買い切りを売る場面は必ず来ます。両方を1つの講座に置けるかどうかで、商品の増やし方が変わります。
詳しくは講座を「買い切り」と「月額」の両方で売るにはをご覧ください。
夏期講習だけを買った人に、その教材だけを見せられますか
プラン単位でしか公開範囲を設定できないサービスがあります。 教材1つずつに「全員に公開」「会員だけ」「このプランを買った人だけ」を設定できるかを確認してください。出し分けを間違えると、受講者との信頼に直結します。
プランを増やしたとき、公開範囲の設定をやり直さずに済みますか
商品が3つ4つと増えたときに効いてきます。増やすたびに全教材を設定し直すなら、商品を増やすこと自体が負担になります。
買い切りに「使える期間」を設定できますか
「その期間だけ」の商品は、月額とは別の売り方が要ります。
契約した直後に、別のプランを提案できますか
一括で受け取ったあと、自動で継続課金に移行できますか
「まず一括で受け取り、期間が終わったら月額へ」という設計をしたい場合に必要になります。
割引コードや紹介報酬の仕組みはありますか
集客の設計に関わります。アフィリエイトを前提にした販売を考えているなら、先に確認してください。
C. 教材と授業
どんな形式の教材を置けますか
動画だけのサービスと、記事・資料・ライブまで置けるサービスがあります。
ライブ授業に参加できなかった人は、後から見られますか
録画が自動で残るのか、自分で撮って上げ直すのかで、運用の手間がまったく違います。
同時に何人まで参加できますか。超えたらどうなりますか
上限を超えると別の会議ツールを併用することになり、一本化したくて移ったのに、また分かれることになります。
受講者が教材をどこまで見たか分かりますか
修了証を発行できますか
資格・検定に関わる講座では必要になることがあります。
小テストやドリルを出せますか。自動採点はできますか
教材を配るだけか、理解度を測るところまでやるかで、必要な機能が変わります。
D. 受講者とのやりとり
夏期講習を受けた人にだけ、冬期講習の案内を送れますか
全員に同じ案内を送ると、関係ない人には迷惑になり、必要な人には埋もれます。受講者のリストを条件で絞って連絡できるかを確認してください。
受講者同士がやりとりできる場を作れますか
受講者の利用状況をまとめて確認できますか
誰が続いていて、誰が離れかけているかが見えるかどうかです。
E. 事業者としての体制
自分でシステムを作る場合と比べるときに、ここが効きます。
セキュリティ体制はどうなっていますか
受講者の個人情報と決済を預けます。認証の取得状況を確認してください。
詳しくはオンライン講座の会員サイトは、自分で作るべきかをご覧ください。
システムの保守やアップデートは誰がやりますか
自作した会員サイトは、作った後も動かし続ける人が要ります。
導入や運用のサポートはありますか。どのくらいで返事が来ますか
「サポートあり」ではなく、返事が返ってくるまでの時間で聞いてください。
申し込んでから、どのくらいで売り始められますか
「使えるようになるまで」ではなく、「1人目に売れる状態になるまで」で聞いてください。 アカウントが発行された日と、講座ページを人に見せられる日は違います。
使いこなすのに、どのくらいの技術知識が要りますか
「専門知識は不要です」という答えは、答えになっていません。 どの事業者もそう答えます。
代わりに、開講までに自分がやる作業を、順番に挙げてもらってください。 差が出るのはここです。
- 動画は、アップロードすれば配信できますか。画質や形式を、自分で変換する必要はありませんか
- ライブ授業に、配信用のソフトや機材を別に用意する必要はありませんか
- 準備中の講座ページを、人に見られないまま作れますか
自分の作業として残る項目の数だけ、開講は遅れます。
アシスタントや別の講師を、権限を分けて追加できますか
アカウントの共有は、退職・交代のときに必ず問題になります。
F. 出口と拡張
契約するときに、やめるときのことを確認しておいてください。 ここを聞かない人が多く、聞かれた側の答え方に姿勢が出ます。
受講者リストや売上のデータを、持ち出せますか
教材の権利は誰のものになりますか
契約期間はどうなっていますか。やめたいときはどうしますか
自社の独自ドメインで公開できますか
外部のツールと連携できますか
Fincs の場合
Fincs for School は、学習塾やスクールが講座を販売・運営するためのプラットフォームです。上の項目のうち、答えが分かれやすいところを書きます。
- お金の増え方 — 月額19,800円(税込)の定額です。受講者数や配信した時間に比例して費用が増える方式ではありません。 保存した容量に応じて費用が増えることもありません。1ファイルあたりのサイズ上限はあり、具体的な数値はアップロードの画面に表示されます。 ライブ配信は、極端に長時間続いた場合に自動で終了します
- 手数料 — 講師の売上から差し引かれる手数料は0%です。受講者のお支払い時に決済手数料5%がかかります
- 売り分け — 1つの講座に月額と買い切りを並べて置けます。教材1つずつに公開範囲を設定でき、プランを増やしたときは設定を連動させて1か所で管理できます。買い切りには使える期間を設定できます
- 教材と授業 — 動画・記事・資料・ライブ配信を置けます。動画はアップロードすれば配信でき、受講者の通信状況に応じた画質の切り替えは自動です。講師が形式を変換する必要はありません。 ライブは配信予定を登録し、当日ホスト画面から開始します。配信後は自動でアーカイブが作られ、欠席者が後から視聴できます。動画は受講の進捗が自動で記録されます
- 案内 — 受講者を条件で絞ってメールを送れます。タグをきっかけにした段階的な自動配信もできます
- 体制 — 運営会社はISO/IEC 27001(ISMS)の認証を取得しています。保守とアップデートは当社が行います。導入前に初期面談を実施し、導入後は講師向けの「Fincs Success Base」で担当者と直接やりとりできます。お問い合わせには、営業日であればその日の日中にご回答しています
- 開講までにやること — 審査の完了後、すぐに販売を開始できます(審査は最短で当日中)。講座の枠のご用意は当社が行います。新しい講座を増やすときも同じです。 講師の作業は4つです。①講座名・紹介文・サムネイル・入会条件を書く ②料金プランを作る ③教材を置いて、それぞれ誰に見せるかを決める ④公開に切り替える。 準備が終わるまでは、非公開のまま整えられます
- 出口 — 受講者リストや売上のデータは、ご依頼いただければお渡しします。講師が作成した教材の権利は講師に帰属します(講師利用規約 第14条。別途の合意がない限り)
- できないこと — 独自ドメインでの公開、アフィリエイト機能は提供していません
項目ごとの詳しい可否は、できること・できないことにまとめています。できないことも書いています。
まとめ
機能一覧を並べても、差は見えません。 差が出るのは、受講者が増えたときと、売るものを増やしたときです。
上の質問のうち、A(お金の増え方)とB(売り方の自由度)から先に聞いてください。
いま移るべきか迷っている場合はオンライン講座の運営を「専用システム」に移すのはいつかを、自分で会員サイトを作るか迷っている場合はオンライン講座の会員サイトは、自分で作るべきかをあわせてご覧ください。