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塾がオンライン講座を作るとき、最初に作るものは5通りしかありません

結論

売るものを決めたあと、多くの塾が止まるのは「で、何を作ればいいのか」です。

実際に始めた教室を見ていくと、最初に作るものは5通りに分かれます。 そしてそのうち3つは、新しく作るものがありません。

  • A. ライブ受け皿型 — いつもの授業を、そのままカメラの前でやる
  • E. 単発プログラム型 — 4週間分を一度作って、次の期にも売る
  • D. スモールスタート型 — 無料の講座を「店舗」にして、そこに商品を並べる
  • B. 発信収益化型 — すでに出している内容を、教材のセットにする
  • C. カリキュラム搭載型 — 手持ちのテキストと動画を、そのまま棚に載せる

どれを選ぶかは、好みではありません。いま手元に何があるかで決まります。

「何を売るか」は、もう決まっている前提です

この記事は、売るものが決まったあとの話です。

まだ決まっていない場合は、学習塾がオンライン講座を「別の商品」として売るにはを先に読んでください。そちらで書いたとおり、動画を先に作ってはいけません。

この記事の5つの型は、その「動画を先に作らない」を具体的にしたものです。 撮り溜めから始まる型は、5つのうち1つもありません。

A. ライブ受け皿型 — いつもの授業を、そのまま配信する

いま手元にあるもの毎週やっている授業。市販教材でも構いません
最初に作るもの定時のライブ枠(例: 平日の夜と週末の午前)
向いている塾いますぐ始めたい/教材は市販や手持ちのもので足りる

新しく作る教材はありません。 いつもの授業を、カメラの前でやるだけです。

配信が終わると、その回がそのまま次の教材になります。 受けられなかった人は後から見られますし、回を重ねるほど「見られるものが増えた講座」になっていきます。

満席で断っていた家庭の受け皿として使われている型です。対面の枠と食い合いません。単価も別に置けます。

E. 単発プログラム型 — 4週間分を一度作って、毎年売る

いま手元にあるもの季節講習・直前対策など、期間と範囲が決まっている講座
最初に作るもの1ヶ月分の構成(短い動画を数本+週1回のライブ)
向いている塾季節講習・テーマ講座を売りたい

「1ヶ月プログラム」の中身は、思われているより軽いです。

  • 0週目: オリエンテーション
  • 1〜3週目: 短い動画(10〜15分程度)+週1回のライブ
  • 4週目: 総まとめのライブ

作るのは短い動画とライブだけです。 ライブは終わると教材として残るので、次の期にはそのまま再販できます。

季節講習を毎年やっている塾なら、同じ型が毎年そのまま使えます。

D. スモールスタート型 — 無料講座を「店舗」にする

いま手元にあるもの特になし。フォロワーも教材も少なくて構いません
最初に作るもの無料の講座(=店舗)と、その中に並べる商品の枠
向いている塾小さく始めたい/複数の商品を試したい

無料の講座を1つ作って、そこを入口にします。

その中に、個別サポート/テーマ別の会/出題分析/直前対策、といった枠をフォルダとして並べる。まず1つをモニター募集で試して、感想をもらってから本格的に売る。

1つの無料講座が、複数の商品の入口になります。

フォロワーの多さは、この型の必要条件ではありません。

B. 発信収益化型 — 発信の内容を、教材セットにする

いま手元にあるものSNSやYouTubeでの発信。ただし収益になっていない
最初に作るものテーマごとの教材セット
向いている塾発信はしているが、1対1の指導しか売り物がない

1テーマあたりの中身は、5点で完結します。

レジュメ/本編の動画/補足の動画/練習問題/解説。これを1セットにして、テーマの数だけ並べる。

1対1の指導には人数の上限がありますが、教材セットにはありません。 発信で届いている人数に対して、売れるものが1対1しかない状態を解消する型です。

C. カリキュラム搭載型 — 手持ちのテキストと動画を、棚に載せる

いま手元にあるもの自作のテキスト・単元別の動画(すでにある)
最初に作るもの並べ方(科目別・単元別のまとまりと、学習の順路)
向いている塾教務の資産がある対面塾

作るものは、ほとんどありません。並べ替えるだけです。

すでにあるテキストと授業が、そのまま「教材棚」になります。 対面の個別指導と組み合わせたハイブリッド運営にしている教室もあります。

自前でシステムを開発する必要はありません。

一覧

型最初に作るもの新しく作る教材向いている塾
A. ライブ受け皿型定時のライブ枠なしいますぐ始めたい
E. 単発プログラム型1ヶ月分の構成短い動画を数本季節講習・テーマ講座を売りたい
D. スモールスタート型無料講座+商品の枠なし小さく始めたい
B. 発信収益化型テーマごとの教材セット動画・レジュメ・問題発信を収益にしたい
C. カリキュラム搭載型並べ方なし(すでにある)教務資産のある対面塾

A・D・C は、新しく作る教材がありません。

「教材を作る」の正体

「20時間の教材」と聞くと身構えますが、中身は1時間の授業が20回分です。

積み上げ型の1ユニットは、レジュメ・本編の動画・補足の動画・練習問題・解説の5点。単発プログラムの1週分は、短い動画が2本と、その記事版。それだけです。

編集は要りません。 ライブは終わると自動でアーカイブになり、そのまま教材として並びます。

いつもの授業を、棚に置いていくだけです。

最初の30日

どの型を選んでも、初月の流れはほぼ同じです。

1週目アカウントを開き、講座と料金プランを作る
2週目初回のライブ。 終わると同時に自動でアーカイブされ、1本目の教材になる
3週目ライブが2〜3本目。アーカイブが並び、講座が「商品」の見た目になる
4週目プランを公開し、既存の生徒・保護者・SNSに案内する

初月から売上を立てる必要はありません。 モニター募集から始める教室もあります。

型は、1つに絞らなくて構いません

組み合わせている教室のほうが多いです。

「Aで受け皿を作りながら、季節講習だけEで売る」「Dで小さく試して、売れたテーマをBで教材化する」といった形です。

最初の1つを決めるために型があります。全部を最初にやる必要はありません。

よくある質問

Q. 動画編集ができません

A・D・C は、編集が要りません。 ライブは配信が終わると自動でアーカイブされます。E と B は短い動画を撮りますが、10〜15分程度のものを数本です。

Q. 撮影の設備は必要ですか

普段の授業をそのまま配信する型(A)なら、いつもの環境で始めている教室があります。 必要な機材は、事業者に具体的な最低ラインを聞いてください。「スマホでできます」という答えだけでは足りません。

Q. どの型を選べばいいか分かりません

手元にあるものから逆算してください。

  • 毎週の授業がある → A
  • 季節講習がある → E
  • 自作のテキストと動画がある → C
  • 発信はあるが売り物が1対1だけ → B
  • どれも当てはまらない → D

Q. 通っている生徒が、通塾をやめてオンラインに移りませんか

この論点は学習塾がオンライン講座を「別の商品」として売るにはで扱っています。 型を選ぶ前に、そちらを確認してください。

Q. 小テストや修了証は出せますか

事業者によります。必ず個別に確認してください。 できないと明記していない事業者もあるので、「できますか」ではなく「できないことは何ですか」と聞くのが確実です。

Fincs の場合

Fincs for School は、学習塾やスクールが講座を販売・運営するためのプラットフォームです。上の5つの型が、それぞれどう成り立つかを書きます。

  • A・E に効くもの — 日時を決めてライブ配信ができ、配信が終わると自動でアーカイブが作られます。 参加できなかった受講者は後から視聴でき、チャットの内容も残ります。途中から参加した人が冒頭から見る「追っかけ受講」にも対応しています
  • B・C に効くもの — 動画・記事・資料(PDF)を1つの講座に混在させられます。動画はアップロードすれば配信でき、受講者の通信状況に応じた画質の切り替えは自動です。 複数の教材をまとめた「セレクション」で単元別・科目別の棚を作れます
  • D に効くもの — 教材とトークチャンネルごとに「一般公開 / 会員限定 / プラン限定」を設定できます。無料の講座を入口にして、その中で見せる範囲を分けられます。 入会からX日後に開放する設定もできます
  • 売り方 — 1つの講座に月額と買い切りを並べて置けます。買い切りには使える期間を設定できるので、季節講習のような期間限定の商品が作れます。無料体験も付けられます
  • 足りない機能 — 外部で用意したツールを、入会者だけがアクセスできる認証付きのリンクとして置けます。小テストの採点や講座専用のAIチャットを外部で作って組み込んでいる例があります
  • 立ち上げ — 講座の枠のご用意は当社が行います。新しい講座を増やすときも同じです。審査の完了後、すぐに販売を開始できます。 導入前の初期面談と、導入後の担当者とのやりとりがあります
  • できないこと — 小テストの自動採点と修了証の発行は、提供していません。 独自ドメインでの公開、アフィリエイトもありません

項目ごとの詳しい可否は、できること・できないことにまとめています。できないことも書いています。

⚠ 受講者数の上限・料金・解約の条件は Fincs for School 専用のものです。 詳細は上のページをご覧ください。

まとめ

「オンライン講座を作る」は、ゼロから何かを生み出す作業ではありません。

5つの型のうち3つは、新しく作る教材がありません。 手元にあるもの(毎週の授業/季節講習/テキストと動画)を、置き方だけ変えるものです。

まず、自分の手元に何があるかを書き出してください。 そこから型が決まり、型が決まれば最初の30日が決まります。

いつ移るべきか迷っている場合はオンライン講座の運営を「専用システム」に移すのはいつかを、事業者を選ぶ段階ならオンライン講座プラットフォームの選び方をあわせてご覧ください。